Table of contents
  1. フリードマン方程式
    1. アインシュタイン方程式
    2. クリストッフェル記号
    3. リッチテンソル
    4. フリードマン方程式
    5. 物理的意味

フリードマン方程式

スケール因子aの満たす方程式を導出しましょう。

アインシュタイン方程式

アインシュタイン方程式より

Rμν12Rgμν=8πGc4Tμν

ここでgμνロバートソン・ウォーカー計量より

(gμν)=(c20a21Kr2a2r20a2r2sin2θ)

です。右辺に現れたTμνは完全流体のエネルギー運動量テンソルです。今は静止流体v=0を考えましょう。

Tμν=(ρc2+p)uμcuνc+pgμν

$uμ=(c,0),uμ=(c,0)より、これの縮約を考えると

T μμ=(ρc2+p)uμcuμc=1+pg μμ=4=ρc2+3p

同様にアインシュタイン方程式の縮約を考えましょう。

R μμ12Rg μμ=R=8πGc4(ρc2+3p)  Rμν=8πGc4(Tμν12(ρc2+3p)gμν)

この式のR00,Rrr成分を考えていきます。

クリストッフェル記号

Γr0r=a,0a, Γθ0θ=a,0a, Γφ0φ=a,0a, Γrr0=aa,01Kr2, Γrrr=Kr1Kr2, Γθrθ=1r, Γφrφ=1r

それ以外の成分は0です。

リッチテンソル

R00=αΓ00α0Γα0α+ΓασαΓ00σΓ0σαΓα0σ

より

R00=t(3a˙a)3(a˙a)2=3c2a¨a Rrr=αΓrrαrΓαrα+ΓασαΓrrσΓrσαΓαrσ

より

Rrr=11Kr21c2(aa¨+2a˙2+2Kc2)

フリードマン方程式

00成分より

(1)a¨a=4πG3(ρ+3pc2)

rr成分より

11Kr2a2c2(a¨a+2a˙2a2+2Kc2a2)=8πGc4a21Kr2(12ρc212p)  a¨a+2a˙2a2=2Ka2+8πGc2(12ρc212p)

(1)を用いて

(2)(a˙a)2H2=8πG3ρKc2a2

この(1), (2)をフリードマン方程式と呼びます。

物理的意味

それぞれの方程式の物理的意味を考えましょう。

(2)  Kc22=12a˙2Ga4π3a3ρ

と変形できるので、これは宇宙の運動エネルギー保存と考えることもできます。
さらに(2)式の両辺を微分すると

2a˙a¨a22a˙3a3=8πG3ρ˙+2Kc2a3a˙

これを変形して

ρ˙=38πG(2a˙aa¨a2a˙2a2a˙a2Kc2a3a˙)

これはさらに以下のように整理されます。

ρ˙=3a˙a(ρ+pc2)  ddt(c2ρa3)=pda3dt

これは断熱変化を仮定したときの熱力学第一法則、すなわち内部エネルギー保存則を表しています。


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