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最適性の1次の必要条件
内容
等式制約のある最適化問題の目的関数を\(\mathrm{obj} (\mathbf{x})\)、そして制約条件を\(g_i (\mathbf{s}) \ (i = 0, \dots, N-1)\)とします。ここで\(N\)は制約の総数です。これらは微分可能であるとします。
\(\mathbf{x}^\ast\)が局所最適解かつ正則ならば
を満たす\(\boldsymbol{\lambda}\)が存在します。
証明
\(\mathbf{x}^\ast\)が局所最適解とすると、\(\mathbf{x}^\ast\)から\(\mathbf{d}\)方向に少しズレた点を考えます。\(\alpha\)を十分小さな値とすると
\[H (\mathbf{x}^\ast + \alpha \mathbf{d}, \boldsymbol{\lambda}) - H (\mathbf{x}^\ast, \boldsymbol{\lambda}) \geq 0\]両辺を\(\alpha\)で割ると、微分の定義より
\[\frac{H (\mathbf{x}^\ast + \alpha \mathbf{d}, \boldsymbol{\lambda}) - H (\mathbf{x}^\ast, \boldsymbol{\lambda})}{\alpha} \xrightarrow{\alpha \rightarrow 0} (\nabla_\mathbf{x} H (\mathbf{x}^\ast, \boldsymbol{\lambda}))^\top \mathbf{d} \geq 0\]任意の方向\(\mathbf{d}\)に対してこれが常に成り立つためには\(\nabla_\mathbf{x} H = \mathbf{0}\)でなければなりません。よって局所最適解ならば(1)式を満たすような\(\boldsymbol{\lambda}\)が存在することがわかります。
参考文献
- [1] 梅谷俊治, しっかり学ぶ数理最適化 モデルからアルゴリズムまで
- [2] 山下信雄, 数理計画法 第3回目: 最適性の条件1