Table of contents
  1. 4.6 全輻射補正 (Bolometric correction)
  2. 参考文献

4.6 全輻射補正 (Bolometric correction)

恒星のスペクトル型(表面温度)によってFluxの波長または振動数に対する分布が異なるため、\(V\)フィルターを通して測定した等級\(V\)と距離から得られる絶対等級\(M_\mathrm{V}\)は、その恒星が放出する全エネルギーの大きさに対応していません。その恒星が全波長に渡って放出するエネルギーに対応する東急として、全輻射等級(Bolometric magnitude)が

\[M_{\rm{bol}} = M_{\rm{V}} -|\rm{B.C.}|\]

で定義されます。ここで現れる\(\rm{B.C.}\)は全輻射補正(Bolometric correction)と呼ばれます。一般に全輻射等級の方が明るいはずなので、全輻射補正はマイナスの値として与えられることが多いです。下の表は色指数に対する主系列星での全輻射補正の絶対値です。全輻射補正は最小値(\(T_{\rm{eff}} \sim 7000\)K, F型)でゼロとなるように定義されています。

\(B-V\) \(T_{\rm{eff}}\) B.C.
-0.25 24500 2.30
-0.23 21000 2.15
-0.20 17700 1.80
-0.15 14000 1.20
-0.10 11800 0.61
-0.05 10500 0.33
0.00 9480 0.15
+0.10 8530 0.04
+0.2 7910 0.00
+0.3 7450 0.00
+0.4 6800 0.00
+0.5 6310 0.03
+0.6 5910 0.07
+0.7 5540 0.12
+0.8 5330 0.19
+0.9 5090 0.28
+1.0 4840 0.40
+1.2 4350 0.75

次の表は色指数に対する超巨星での全輻射補正の絶対値です。

\(B-V\) \(T_{\rm{eff}}\) B.C.
-0.25 26000 2.20
-0.23 23500 2.05
-0.20 19100 1.72
-0.15 14500 1.12
-0.10 12700 0.53
-0.05 11000 0.14
0.00 9800 -0.01
+0.10 8500 -0.09
+0.2 7440 -0.10
+0.3 6800 -0.10
+0.4 6370 -0.09
+0.5 6020 -0.07
+0.6 5800 -0.03
+0.7 5460 +0.03
+0.8 5200 +0.10
+0.9 4980 +0.19
+1.0 4770 +0.30
+1.2 4400 +0.59

参考文献

  • Erika Böhm-Vitense, “Introduction to Stellar Astrophysics”


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