Table of contents
  1. 輻射のスペクトル
    1. 電磁場のフーリエ変換
    2. 単位立体角・単位周波数あたりの放射エネルギー

輻射のスペクトル

ここでは輻射のスペクトルについての式をまとめています。

電磁場のフーリエ変換

電磁波\(E(t)\)のフーリエ変換を考えましょう。

\[\hat{E}(\omega) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\infty}^\infty E(t) e^{i\omega t} dt \tag{1}\]

そしてこの逆変換は

\[E(t) = \int_{-\infty}^\infty \hat{E}(\omega) e^{-i\omega t} d\omega \tag{2}\]

です。 \(\hat{E} (\omega)\)は一般には複素数です。 しかし、実際に観測される量である\(E(t)\)は実数です。 このことから複素共役\(\hat{E}^\ast (\omega)\)を計算してみると

\[\hat{E}^\ast (\omega) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\infty}^\infty \underbrace{E^\ast (t)}_{=E(t)} e^{-i\omega t} dt = \hat{E}(- \omega) \tag{3}\]

のようになります。

単位立体角・単位周波数あたりの放射エネルギー

単位時間・単位面積あたりの放射エネルギーは、ポインティングベクトルより

\[\frac{dW}{dt dA} = \frac{c}{4\pi} E^2 (t) \tag{4}\]

のように書かれます。 この両辺を時間で積分することで、単位面積あたりに通過する放射のエネルギーが求まります。

\[\frac{dW}{dA} = \frac{c}{4\pi} \int_{-\infty}^\infty E^2 (t) dt \tag{5}\]

ここでパーセバルの定理より

\[\int_{-\infty}^\infty E^2 (t) dt = 2\pi \int_{-\infty}^\infty \vert \hat{E}(\omega) \vert^2 d\omega \tag{6}\]

そして(3)式から

\[\vert \hat{E} (\omega) \vert^2 = \vert \hat{E} (-\omega) \vert^2 \tag{7}\]

が成り立つため、

\[\int_{-\infty}^\infty E^2 (t) dt = 4\pi \int_{0}^\infty \vert \hat{E}(\omega) \vert^2 d\omega \tag{8}\]

を得ます。 (5), (8)式より

\[\frac{dW}{dA} = c \int_0^\infty \vert \hat{E} (\omega) \vert^2 d\omega d\omega \ \Longrightarrow \ \frac{dW}{dA d\omega} = c \vert \hat{E} (\omega) \vert^2 \tag{9}\]

です。 放射源と観測者までの距離を\(R\)、立体角を\(\Omega\)とすれば、\(dA = R^2 d\Omega\)の関係より

\[\frac{dW}{d\omega d\Omega} = c R^2 \vert \hat{E} (\omega) \vert^2 \tag{10}\]

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